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Sugarcoat

秘すれば花なり。秘せずは花なるべからず。      
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「サウスバウンド」奥田英朗

映画原作本です。主演は豊川悦司
元過激派の父親と母親をもつ小6年の息子視点で物語りは展開して行きます。
学校に行く必要なんかないとだんげんする父親。
そのうちに事件に巻き込まれ、一家は東京を捨て、南の島へ行くという。
その場所は父のふるさとでもある沖縄・西表島。
常識の通じない父親はここでも大騒動を起こしてしまう。

実際いたらそりゃもう迷惑な父親ですが、カッコイイです。
途中に家族の問題とか学校での問題なんかも出てきます。
前半は特に、少年二郎が中心となります。
父親の後半の暴れっぷりは天晴れです。
このくそ親父が!と思う反面、くっそーカッコイイじゃねえかと思ってしまう。
「革命は運動では起きない。個人が心の中で起こすものだ!」
コレ、結構名言だと思うんだけどね。
とにかくハチャメチャなカッコイイ父親と意外と肝の据わった母親。
反抗してたはずなのに、尊敬し始めちゃった子供達。

コレ、映画見たくなるよ。
この父親はアタシ的には豊川悦司か堤真一、阿部寛くらいが嵌りだな。
まず、でかくないといけないとこがあるし、迫力とボケも必要。
年齢的にもこの3人くらいかな。

今年読んだ中では、当たりの1つです。
お勧めです。読みやすいし。
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池袋ウエストゲートパークの文庫版第5弾。
今回はちょっと短いのが多いかな。
「スカウトマンズ・ブルース」
「伝説の星」
「死に至る玩具」
「反自殺クラブ」
個人的には「スカウトマンズ・ブルース」が一番好きかな。
池袋ウエストゲートパークらしい感じ。
「反自殺クラブ」も好きだけど、キング出てこないんだよな。
池袋シリーズの魅力はなんといっても、あの語り口でしょう。
軽快な感じが好き。
そういうの読むと、やっぱ石田衣良うまいわ~って感じ。
テレビ出るの止めればいいのに。
個人的にメディア露出の多い作家は嫌いなんだよね~。
あと、池袋シリーズのよさはなんといってもGボーイズのキングこと安藤崇だろ。
かっこよすぎですから。
今回もちょこちょこ出てきてますが。
一番お気に入りの場面は、新年明けてからのマコトからの電話への対応。
マコトが「新年明けましておめでとうございます」って精一杯喜びをこめて言ってるのに、
ガチャ切り・・・・・・。
いくら用件のみ話すのが好きだからって、そりゃねえだろ。
新年の挨拶くらいしようよ、キング。


直木賞を取った名作ですよね。
「探偵ガリレオ」「予知夢」の湯川教授シリーズです。
基本的にこの人のシリーズではやっぱり加賀シリーズが好きだけど、
コレはまずまずいいかな?
というか元々湯川さんが嫌いなわけではなくて、
この人のシリーズは物理っぽくて嫌いだったんだよね。
まあ湯川が物理の研究者だからしょうがないけど。
では内容に入ります。
ネタばれはなるべくしないようにします。というかネタばれのところは反転仕様にします。

「運命の数式。命がけの純愛が生んだ犯罪」
これほど深い愛情に、これまで出会ったことが
いやそもそも、この世に存在することさえ知らなかった。
最初はありがちな倒叙(とうじょ)推理小説と思ったんだけどね。
あ、倒叙ってのは犯人が最初から判ってて、探偵役がソレを推理する様を追ってる推理小説。
貴志祐介の「青の炎」とかがそれになるかな。厳密には推理しないし、ミステリーに近いのかも?
まあ、それは置いといて。
最後の最後にどんでん返し。読者は皆だまされてたって感じ。
倒叙に見せかけて(いや実際倒叙だと思うけど)ああっ?!って感じ。
なんというか、人物描写上手いな。
すごい切ないと思う。やっぱ東野圭吾はこういうの書かせると天下一品だな。
湯川シリーズは3作目だけど、この作品で初めて湯川が人間らしく見えた。
もちろん今までのだって良かったけど、苦悩とか後悔とかそういう人らしい感情が
よく出てて、そこも切なかったかな。
他の作品ではクールで冷徹な探偵って感じだったけど(時折ユーモアを交えつつ)
今回は、なんかこの人に惹かれたなぁ。
事実に気付いた湯川のシーン。
『「悪いが、今日は帰ってくれ」
 「何だよ、それはないだろう」草薙は抗議した。だが湯川の顔を見た途端、次の言葉は出なくなった。
友人の物理学者の顔は、悲しみと苦痛に歪んでいるようだった。そんな表情を、草薙はこれまでに一度も見たことがなかった』
すべての事実を知って、それを草薙に問い詰められるラストシーンの草薙の独白
「湯川に言われ、草薙は彼を見た。はっとした。辛そうに歪められた物理学者の顔があった」
この2つのシーンと、まあネタばれになるから言わないけど、ラストシーン。
すごい胸に来るっつーか、なんというか。
いいよね。
まあ、色々書くとネタばれなので、長編&推理物好きな人は読んでみてください。
あ、最後に1つ。
学生時代の湯川
「髪を肩まで伸ばし、シャツの胸元をはだけた男が頬杖をついていた。首には金色のネックレスをつけていた」
うっそ~!!!

ゼミの友達に借りて読んでみました。
嶽本野ばら。下妻を書いた人って言えば、わかるんかな?

はじめのところから、文章のキレイな作家だな、と。
『ねぇ、君。雪が降っていますよ。』
この1文でわかるように、ずっとですます調なんです。
丁寧な言葉だったら、いいってもんじゃないんだけど、
この人のは本当に、キレイな文章の一言しかでてこない。
ずっと、語りかけるような口調で地の文は展開されていきます。
ゆったりした、優しい感じの語り方です。
ただ、きっと好き嫌いはわかれるだろうな~。
ゴスロリとか、そういう感じの女の子が多いんです。
それから、性描写の多い作家と言われてます。
この「ミシン」はそんなでもないと思うんだけど・・・・。
破滅的なストーリーが多いともいわれてるらしい。
うーん、まあ、常識的ではないかな?
至高の愛とでも言うんでしょうかね。
特にミシンのラストとかね。
「私の為だったら、親、兄弟を殺せるくらいに好き?」
って、こういう感じですね。
あたしは、結構、こういう破滅的なストーリーも好きですね。
理解できないけど、オモシロイとは思うし。

あ、そうそう。
あたし下妻に興味なかったから知らなかったんだけど、
この嶽本野ばらって男なんですね。
野ばらって名前だけで女だと思ってたんですけど。
ちょっとびっくりデス。こんな繊細な文章が男のものだったとは。
もう少し、この人の読んでみたいな~って感じです。
ホント、最近の中ではびっくりするほど文がキレイです。
ちょっと破滅的なストーリーも大丈夫な人にはお奨めです。

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誕生日:
1986/08/19
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本と音楽と寝ることをこよなく愛する大学生。

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