「人のセックスを笑うな」
監督:井口奈央 原作:山崎ナオコーラ
キャスト:永作博美・松山ケンイチ・蒼井優・忍成修吾
ストーリー
19歳の美術大生のみるめ(松山ケンイチ)がある日20歳年上の講師ユリ(永作博美)に
絵のモデルを頼まれ、その自由奔放な魅力に、恋に落ちる。
友人の堂本(忍成)にそのことを聞かれ、みるめは嬉しそうにユリとの関係を話すが、
いつもつるんでいるエンちゃん(蒼井)の表情は曇ったままだった。
初恋に有頂天のみるめだったが、ユリは結婚していた。
劇場公開のときから気になってたんだけど、奈良はしてなくてね。
大阪の難波あたりまで出ないといけなくて面倒でDVD待ってました。
友達は買ったそうですが、アタシはレンタルで。
原作を元々読んでたので、あの空気にどのくらい近づくのかな、と。
すごい淡々としてる話(不倫のわりに)なので、その分映像の綺麗さが際立つかな。
原作ではエンちゃんは脇役なんだけど、映画では結構出てて、
それが、みるめの苦悩みたいなのを引き出してて上手いなぁと。
正直、原作のほうではみるめの苦悩とかあんまりなくて、物足りなかったし。
みるめとエンちゃんの観覧車のシーンが凄い好きでした。
「(電話を縛って出れなくしとかないと)出たくなっちゃう。
出たら会いたくなっちゃう」(みるめ)
この台詞はCMでも流れてたけど。
松山ケンイチいいね。永作博美も。
すごい自然で、マジに出来てるんじゃ!?って疑いたくなる気持ちもわかるわ。
劇場で見たい感じではないけど、一見の価値あり。
秋の(まだ先だけども)夜長に、一人でゆっくり見たい映画でした。
あらすじ: 18世紀のパリ、悪臭のたちこめる魚市場で産み落とされたジャン=バティスト・グルヌイユ(ベン・ウィショー)。驚異的な嗅覚を持つがゆえに、奇怪な青年として周囲に疎まれている彼は、ある晩、芳しい香りの少女に夢中になり、誤って殺してしまう。その後、彼は少女の香りを求めて調香師になり、香水作りに没頭するが……。
というような話です。
観てる間中なんか、こう、鼻をヒクヒクさせてしまう感じ。
テレビから匂いが出るようになったら面白いよなぁ・・・(関係ないですけど)
でも、正直、最後に出来上がる香水は、どうなんだ?って感じです。
↓ネタばれです
最終的に作られる香水は、主成分がすべて少女です。
香水は色んな香りを使って、まあ、調和させるわけですが、
人が違うとは言っても、全部、女なわけですから、調和すんのかなぁ?って感じ。
ま、そんな細かいことはいいんだろうけど。
あとね、主人公、気配無さ過ぎだから!
息遣いがわかる位置まで行っても気付かれるのに時間かかってるし。
女が鈍感なんだろうか・・・・?
あと、ラストもどうなんだろう・・・・・?
究極の香水って、あんた。
世界がひれ伏すって、本当にひれ伏してるし。
あ、余談ですけどね、あのラストシーンは、マジであの人数で撮ったそうです。
よく出来たよね。
主人公はかわいそうだったな。
だって、最後は食べられた・・・よね?
天使だ!って言われながら、生きたまま食われてたよ。
怖いよ。
まあ、面白いから、一見の価値はあるかな。
ただ劇場で見なくて良かったな、とは思ったけど。
「大帝の剣」
監督:堤幸彦 原作:夢枕獏
キャスト:阿部寛 長谷川京子 宮藤官九郎
もうこれは娯楽映画の中の娯楽映画だよ。
考える必要全くなし。
クドカンがすごい惨めでかわいそうで笑える。
阿部さん特殊効果を使ってるのかってくらいでかく見えるんだけど。
46億年のあとに見たから余計わかりやすく感じたわ。
にしても、阿部さんってホント凄いわ。あのキャラの濃さ。
あんまり興行成績は良くなかったらしいけど、アタシは好きかな。
ただ、2回見る気にはならないかも。
「やわらかい生活」
監督:廣木隆一 原作:絲山秋子「イッツ・オンリー・トーク」
キャスト:寺島しのぶ 豊川悦司 松岡俊介 田口トモロヲ 妻夫木聡
これはあんまり知ってる人いないよな。
友達に言ったら、キャストで「愛の流刑地?!」って言われたし。
なんとな~く緩い映画。そこが良いんだけど。
寺島は鬱病。豊川はその従兄弟。
その二人の微妙な関係と、寺島と松岡、田中、妻夫木のゆるやかな関係。
恋愛ものとしてみるとちょい物足りないかも。
男と女なんだけど、恋人じゃないし、夫婦でもないし、友達でもない。
許して許された関係。こういう緩くてずるいけど優しい男ってなかなかいないよなぁ。
かいがいしく寺島の世話をする豊川がいい。
なんとなく好きだったシーンは、豊川が料理してるとこかな。
背の高い男の人が、ちょっとかがんで、小さいキッチンを隠している後姿ってなんかいい(趣味入ってますが)
ラストは言ったら面白くないので言わないけど。
あんまりに緩やかな展開でダメな人は飽きちゃうと思う。
「頑張らなくていいんだ」と言ってくれてる映画、かな。
後はね、結構人間は支えられてるよなぁって感じ?
説明は難しいから、好きだったコメントでお終いにします。
カニリカ(放送作家・脚本家)
「やわらかい生活」という優しい響きのタイトルに惹かれて、
ひょっとして癒されるんじゃないかと期待しつつ、
ひとりでこの作品を観たとしたら、
あなたは低温火傷をしてしまう。
誰かを失うことの大きさと怖さと寂しさが
じわじわと押し寄せてきて、
ヒリヒリとした痛さが胸に沁みてくる。
でも、人はそれでも生きていかなければならない。
その強さを教えてくれるのが、
この「やわらかい生活」。